より原始的なフォーキングを楽しむには、良き相棒となる枝の入手が欠かせない。しかし、どんな枝でもいいというわけではない。しっかりとした堅さ、燃えにくさ、持ちやすさなどポイントを押さえた枝を選ぶことで、間違いのないフォーキング体験ができる。いや、むしろフォーキングは枝選びから始まっていると言っても過言ではない。
この記事ではフォークの枝選びのポイント、おすすめの樹種を紹介しよう。
枝選びのポイント
❶ 形状
フォーキングに適しているのはやはりまっすぐな形状の枝だ。食材をまんべんなく焼こうと枝を回転させる際、まっすぐな枝だと取り回しが良い。また枝の長さは身長の半分の長さがいいと言われており、170㎝の大人だと85㎝くらい、100㎝の子供だと50㎝くらい枝がちょうど良いということになる。ただし、焚き火の大きさや立ちスタイル、着座スタイルなどによって臨機応変にサイズを調整しよう。
❷ 丈夫さ
枝の耐久性もポイントだ。火にあたる時間が長くなるので、細すぎて折れたり、すぐに燃えてしまうような枝ではダメだ。丈夫で長持ちする枝を見極めよう。広葉樹と針葉樹で比べると、広葉樹は木質が密で硬いため、食材の重みや焚火の熱にも耐えやすい。一方、針葉樹は木の繊維が粗く、油分を多く含むため、火に当たると焦げたり着火しやすい。そのため、広葉樹のしっかりした枝を探すことで、付き合いの長い相棒と出会える確率が高くなるぞ。
❸ 手触り
意外と見落としがちなのが、手触り。フォーキングでは枝を握っている時間が長いので、手に優しい滑らかな感触の枝を選びたいところ。さらに焼き加減を見極める際に、食材からとどく鼓動を確かに感じるためにも、握り心地のよい手触りはとても大事だ。また一見外側は荒々しくても外皮を剥がすだけですべすべの質感をもつ樹種もある。しっかり握れるグリップ感と、触ったときの心地よさを確かめながら選んでいこう。
相棒に適した樹種3選
1|ケヤキ
空に向かってまっすぐ伸びる枝ぶりが美しいケヤキ。その木材は高級家具にも使われるほどの丈夫さ。焚火で使っても折れにくく、燃えにくいので長く愛用できる。外皮の滑らかな手触りはグリップ感抜群だ。相棒に一番おすすめの樹種。街路樹として広く植樹されている反面、標高1,000m以上では入手困難なので都市生活者は日頃から落枝を拾い集めておこう。
2|クスノキ
太くモリモリした枝ぶりで大木にもなりやすいクスノキ。大木になるために自ら枝を落とす自己剪定する木でもある。樹皮が滑らかで手に馴染じみやすい。また香り高い木としても有名で、削るとほのかに甘い香りが立つのもまた一興。街路樹や公園の木としてよく利用され、山間部でも入手しやすい木だ。ただし、油分を多少含むため、長時間の使用にはご注意を。
3|サルスベリ
その名の通り滑らかな樹皮を持つサルスベリは、グリップ重視のフォーカーが好んで使う樹種。枝はまっすぐに伸び、しなやかで強力な弾性をもち、木質は広葉樹らしい堅さがある。都市部でも庭木や公園樹として広く植えられているが、自然に落枝することは少ないので入手が難しい。庭師や公園管理者などが選定したものを譲ってもらおう。
番外編:流木
フォーキングの相棒としてユニークな存在感を放つ流木。漂白された色合いも美しく、自然界の荒波で研ぎ澄まされた形状と質感は、グリップ感も良好。入手できる地域は限られるが、湖や川、海沿いに出かけたなら、流木の相棒を探そう。
まとめ
どうだったろう。いかに普段、自分が枝を見ずに過ごしているかと気が付いた人もいるだろう。ここに紹介したの樹種はほんの一例で、好みのフォーキングスタイルによっても適した枝は異なる。また地域よって植生も変わり、むしろご当地枝を探す楽しみもある。
日常生活の中でもお出かけ先でも自分だけの相棒を探してみよう!
最後にひとこと、森を見ず、枝を見よ!
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