フォーク付き火吹き棒という本製品の要のパーツである真ちゅう製のジョイントは、製作者の拠点である東京都墨田区の協力工場で生産をお願いしています。
実は墨田区にはいくつもの金属加工の会社が残っており、生産をお願いしているのはとうきょうスカイツリーから自転車で10分ほどの町工場で、自動車部品、油圧部品、水栓金具の精密部品を加工している町工場です。そこの社長には部品の設計などたくさんアドバイス頂き、とても助けられています。
ところで、本ジョイントは、火吹き棒としてのノズルの機能も備わっています。
一般的にノズルは、流れる流体に対して、垂直で直線的な断面を持っていますが、本製品のノズルは、ラッパ型に広がる形状を採用しています。これは、ラッパ型にすることで出口付近で乱流を起こして空気を拡散させる効果があり、火種に対して広範囲で酸素を送ることを目的としています。一ヶ所の火種に集中的に酸素を送る一般的なノズルに対し、どちらの方が効果的かは流体力学的、焚火学的には議論があるかもしれません。
ですが、しかし今回決め手となったのはその音です。3Dプリンタで何度もノズルを試作し検証した結果、一般的なノズル形状は「スゥーッ」という静かな音であるのに対して、ラッパ型のノズルは「スワァ〜」というような拡散音がします。火おこしの楽しさも感じてもらいたく、音響としての演出効果の高いラッパ型を採用しました。一般的なノズルの火吹き棒をお持ちの方は、ぜひその音を聴き比べてみてください。